• 06/17/2020

最低賃金と高齢者貧困 - 血税によって競争が歪められた結果

LIQUI MOLYのエルンスト・プロースト取締役が国の負担を利用したソーシャルダンピングについて語ります

従業員各位

私は最低賃金の引き上げに賛成なので、最近は再びひっきりなしに袋叩きのような目にあっています。 より高い賃金を支払わなければならなくなると、多くの企業はもはや採算を取れない…、と言われています。 つまり、労働者が生計に必要とする賃金、企業の利益を生み出す彼らが受けるに相応しい賃金を与えるよりも、企業の利益状況を維持するほうが良いということでしょうか? 考えられないようなことです。 特に、国が私たちの血税をもって、そうした雇用者、そしてそれに伴い間接的ではあってもその企業を支援するなら、許されることではありません。 雇用関係において、そしてその遥か後には低所得による高齢者貧困を克服するためには納税者が収めた税金が投入されますが、こうしたお金はまず他の場所で稼ぎ出さなくてはいけません。 増額金などで補助を受け、そして労働者に支払う賃金が余りに低ければこれを国の予算で持ち上げることで収益性を高めている企業があります。

ある同業界のある企業が相変わらずこうした最低賃金戦略をこねくり回す一方で、他の企業は労働協約で保証され、労働組合と従業員代表委員会が同意した通常の賃金を支払えるというのは一体どうしたことでしょうか? つまり、諸企業は納税を通して、そのような基準を順守せず、低価格を駆使して市場での地位を築いている企業への助成金に直接的・間接的に資金を提供しているということです。 もし私が労働者に適切に給料を支払わず、賃金契約を無視し、最低賃金を計算の基準にするならば、それはまったく安っぽい行いです。 これは市場経済の観点から完全に間違っているだけでなく、社会システムの濫用、競争の歪曲でもあります。 競争においては、福祉国家の利点を巧妙に利用することを通じてではなく、そしてもちろん、労働安全、環境保護、および報酬の基準を無視することによってではなく、より優れたパフォーマンスをもって戦うべきです。

結論として言えるのは、 人は自分の仕事で生計を立てることができなければならず、これは単一の職場によって可能であるべきである、ということです。 公正かつ充分な報酬を通じて社会的責任を果たすことを望まない、または果たせない企業は、別のビジネスモデルを考え出すか、価格を引き上げるべきです。しかし、ダンピング価格によって健康な企業さえも干上がらせ、自分自身とその従業員のためにあらゆる種類の給付金や助成金を取得し、自社の従業員を連邦労働局に放り込んで僅かな給与を増額させるようなことが決して恒常的な状態になってはいけません。

Ihr

エルンスト・プロースト